20世紀末に地球は数百年に一度の活動期に入り、従来の記録を数倍上回る豪雨、大地震動が続々と観測されています。さらに、昨年からはコロナウイルスによる猛威が拡大しています。新耐震規準は、大地震に対しては、使えなくなってもよい、倒壊しなければよいという基準です。最近の研究によれば、東京、大阪などの大都市では、地震後に使用できない建物施設が林立する結果、群衆雪崩、未治療死、通電火災、火災旋風、地震洪水などの間接被害が続々と発生し、多数の人命が失われるとのことです。熊本地震では、耐震化率100%の熊本市周辺において、病院、避難所が使用できなくなったことによる災害関連死が直接死の4倍を超える事態となりました。20世紀の想定と対策では追い付かないことが明らかになりつつあります。感染症対策と同時に建物施設の使用継続に向けた防災対策は急務です。
本セミナーでは、地震対策に関して、SRFとMTDという新しい診断と補強の方法をご紹介し、適用事例、東日本大震災、熊本地震等での実証についてご紹介します。SRFは、しなやかな繊維で柱や壁を被覆して損傷を抑え復元力を確保する方法です。万一、柱の内部が粉々になるような激しい揺れを受けてもフロアを支えるフェイルセーフな機能と、損傷を抑え、使用継続性を確保する効果があることが実験、震災で実証されています。MTDは、建物の常時の揺れを捉えて構造性能を評価し欠陥を見つける方法です。切迫する直下型地震、海洋型の巨大地震に対して、今できる対策を実行するきっかけとなり、将来に向けての新しい街づくりをお考えいただく機会となることを願っております。
今後のセミナースケジュール
- 2021年2月18日(木) 一般向け
- 2021年4月22日(木) 専門家向けセッション6
- 2021年5月13日(木) 専門家向けセッション7
- 2021年6月17日(木) 専門家向けセッション8
- 2021年8月26日(木) 一般向け
- 2021年10月21日(木) 一般向け
※開催時間は全日13:30〜14:30です。
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