建物の価値を損なわないことが大切

耐震補強工法には、様々なものがあり耐震壁やブレース(筋交い)などを建物の内部や外部に増設する在来工法と呼ばれる工法がよく用いられます。これらの工法は、比較的簡易に建物の耐震強度を向上させることができる反面、部屋の使い勝手や建物の外観のデザインを変えてしまうデメリットがあります。また、ホテルなど建物内部からの景観を売りにしている建物については、増設した壁やブレースにより視界を遮られることで、建物自体の商業的価値を大きく損なう可能性が発生します。
右の写真は、 SRF工法を主体することで、ホテル内部からのオーシャンビューを確保したまま、耐震補強工事を実現した事例です。

壁やブレースを増やすのではなく、既存の部材を生かす。

前述のとおり、既存の建物に壁やブレースといった構造部材を追加することは、耐震性能を上げることはできても、使用性の低下を招きます。SRF工法は、既存の柱や壁に高延性のポリエステル繊維を巻き付けたり、貼り付けたりする工法であるため、従来の使用性を損なうことなく、建物の耐震性能を上げることが可能となります。また、大きな重機や機械を用いることなく人力のみで施工ができるため、費用も安く抑えることができます。

耐震補強に掛かる費用には、補助金が出る場合もあります

耐震補強に掛かる費用(耐震診断、補強設計、耐震改修工事)には、全国のほとんどの自治体で補助金制度が設けられています。対象となる条件は、各自治体により建物の用途や規模などにより様々ですが、数百万から数億円程度までの補助を受けられる可能性があります。今回ご紹介したホテルについても、国と地方自治体からの助成金を利用し、耐震補強工事を実施されています。まずは、検討されている建物が補助金の要件に当てはまるかどうかを調べてみることをお勧めします。