耐震補強工事は一度にまとめて実施しなければならない!?

耐震補強工法には鉄筋コンクリート壁や、鉄骨ブレースを入れることで建物の耐震性能を上げる方法があります。これらの工法は、一度にまとめて工事を行わないと、建物全体のバランスを崩すことになり、返って危険性を増すことになります。従って、建物全体を一時的に退去しないと、耐震補強工事が行えない事例もあります。これに対してSRF工法の場合、ポリエステル繊維とウレタン系の接着剤といった軽量な材料のみを用いて工事を行うため建物の重量が大きく変えることなく、建物のバランスを崩すことがありません。これにより、一度にまとめて工事を行わず段階的な工事が可能となり、テナントビルでは、テナントの退去の際にその都度、段階的に補強工事を行うことで、入居テナントやオーナーに負担を掛けることなく、耐震補強工事が実現可能です。
美観を損なわない、使い勝手が変わらない

右の写真は、SRF工法で耐震補強を行った後のテナントビルです。鉄筋コンクリート壁や鉄骨ブレースを用いた従来の耐震補強工法は、外部に面して設けた場合、既存の窓を塞いでしまったり、外観が変わってしまい、美観を損なう場合があります。また、建物内部に設けた場合は、大きな一つの部屋を二部屋に分割したり、部屋の使い勝手を大きく変えざるを得ないこともあります。SRF工法は、既存の柱や壁に補強材を巻きつけたり、貼付けたりすることで補強を行います。従って、現状の外観をほとんど変えることがありません。また、補強材自体の厚みも0.5mm~厚くても5mmまでの薄い材料を用いるため、部屋の使い勝手を変えることなく、耐震補強工事を行うことができます。
いかに安く利用者の負担が少なく耐震補強工事を行えるかが鍵

一般的に耐震補強工事の費用は、建築物の構造や規模、改修の程度により異なりますが、鉄筋コンクリート構造の場合、延床面積あたり20,000円~50,000円程度と言われています。これはあくまで、工事に掛かる費用であり、建物の耐震性を評価する耐震診断や、耐震診断の結果か補強する部位や工法を決める、耐震補強設計の費用がさらに必要になります。実際、これらの膨大な費用負担から、耐震診断や耐震補強設計を行い、所有する建物の危険性がわかっていながらも、工事を行えないということが発生しています。
SRF工法は、ポリエステル繊維と接着剤という安価で軽量な資材を用い特殊な重機や機械等も用いない工法のため、鉄骨や鉄筋コンクリートを用いた従来の耐震補強工法よりも、飛躍的に安く工事が行える工法です。SRF工法であれば、費用負担の大きさにより一度はあきらめた耐震補強工事を現実のものとすることが出来ると我々は考えています。