木造実験
木造SRF工法は接合部や架構にポリエステルベルトを接着剤で貼り付けることで耐力を向上させる耐震改修工法です

- 接着剤を塗って貼るだけの簡単工法です。
- 接着剤は無臭でホルムアルデヒドなどの環境ホルモン懸念物質も含まないため、安心してお使いいただけます。
※厚生労働省の指定する科学物質(14物質)を含んでおりません。 - 定着長を長く取ることで大きな変形に追随することができます。
- 高弾性材が柔軟であるため、あらゆる接合部に対応します。
- 釘打ち穴あけが困難な場所の補強に適しています。
- 後施工アンカーのように基礎に削孔する必要がないため、無筋の基礎でも安心してお使いいただけます。
- 釘打ち、ホチキス止めができて耐力低下がありません。
応募総数109工法の中から、学職経験者等による評価委員会によって当社のSRF工法が選定されました。
耐力試験で優れた効果が実証されました





際貼り増打ち包帯補強(SRF工法)
既存の構造用合板耐力壁に、SRF際貼り増し打ちを行うことで、耐力壁を一枚増設したと同様の効果を得ることができます。また、一か所で5倍までの壁倍率を得ることができます。

(財)日本住宅・木材技術センター:構造用合板張り幅0.91m耐力壁のくぎ打ち部を耐震被覆(ポリエステル製ベルトを装着)した軸組みの面内せん断試験(SRFの上から更にくぎ打ち補強した場合 試験成績書/平成20年7月29日より)
既存木造住宅の構法 | 本工法による仕様 | 壁強さ倍率 (kN/m) |
壁基準耐力 (kN/m) |
壁基準剛性 (kN/rad./m) |
N値計算用の等価壁倍率 |
---|---|---|---|---|---|
在来軸組構法 および 伝統的構法 |
大壁 | 9.8 | 10.2 | 1,760 | 5.2 |
真壁 | 9.8 | 9.9 | 1,760 | 5.0 | |
継手間柱真壁 | 7.5 | 7.5 | 2,000 | 3.8 | |
上下開口耐力壁 | 6.4 | 6.4 | 1,065 | 3.2 | |
枠組壁工法 | 耐力壁 | 9.8 | 11.8 | 1,985 | 6.0 |
建築防災協会:技術評価報告書より
コンクリート基礎補強(SRF工法)
無筋コンクリート基礎にSRFベルトを両面3段貼ることにより、鉄筋コンクリート基礎と同等の効果を得ることができます。※(一財)日本建築防災協会技術評価取得済
無筋コンクリート梁への載荷実験では、比較として炭素繊維で補強した梁では、中央部から周囲に向かって一気に剥がれて突然破壊しました。 それに対して、SRFで補強した梁は曲げひび割れが順次生じて全体が曲がる変形となり、最終的に圧縮せん断破壊を生じても崩壊せず、梁としての一体性を保つ結果となりました。 図1より、炭素繊維補強の強度・靭性が全くSRFに及んでいないことが分かります。
■実験映像(炭素繊維補強)
コンクリートに亀裂が入ると、炭素繊維はヒビに追従できなくなり、補強材に浮きが発生します。
コンクリートが完全に破壊する前に炭素繊維は剥がれてしまいました。こうなると、補強としての効果はほとんど期待できません。
■実験映像(SRF補強)
コンクリートに亀裂が入ってもSRFベルトが剥がれることなく、ヒビに追従していることが分かります。SRFベルトは靭性がある素材のため、躯体に復元力を与えます。
コンクリートが完全に破壊するまで荷重を与えても、梁が落ちることは無く、SRFベルトで支えています。

図1 SRFで補強した梁と炭素繊維補強した梁の荷重変位関係
木造SRF工法は接合部や架構にポリエステルベルトを接着剤で貼り付けることで耐力を向上させる耐震改修工法です
高弾性材は、延性が高く破断に対する安全率が極めて大きいことが特徴です。各種補強材と厚さを考慮して比較すると、設計歪付近では、連続繊維等と同等の効果を持ち、鉄のように塑性化することなく、連続繊維、アラミドなどが破断する歪を超えても張力を増加させることが分かります。コンクリートブロックに貼り付けて、亀裂幅と張力の関係を実測すると、連続繊維は、0.3mm程度の亀裂幅で、張力が不安定になり、定着長を500mm取った場合でも、2mm程度の亀裂で破壊しますが、SRFは、10mm程度までの亀裂でも安定した張力を維持しました。